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加圧トレーニングで血栓ができてしまうって本当?実際の事例とは?

加圧トレーニングに於いては、専門の資格を持つ指導者の下で行う事が安全安心の大前提となります。その上で日本加圧トレーニング学会等では、常に利用者の安全に考慮する機関や施設等でのトレーニングを推奨しており「適切な指導者が各利用者の適正圧を、毎回確認する」事が非常に大切で重要と言っています。

併せて、定期的な問診や検査も必要と謳っていて、利用する側としては、まず、この様な要件を満たす所を探す事がトレーニングの入り口ではないかと考えています。

 

加圧トレーニングで血栓ができる?

最初に「加圧トレーニング」とは、WHOの医師でもある医学博士が確立したトレーニング法です。現在では東京大学の研究チーム等で効果は実証され、全国実態調査も行われています。この調査にはアメリカ・ハーバード大学医学大学院等始め国内大学病院等も参加している様です。こういった事実でも分かる様に、シッカリと確立されたトレーニング法である事は間違いありません。

しかし医師の中には、やはり「血栓」等リスクを心配する声があるのも確かです。ですから、ここでは血栓が出来てしまうメカニズムを、なるべく分かり易く要約してみたいと思います。問題は「血流制限」、つまり血流の流れを悪くした状態でトレーニングを行う事だと言います。但し、間違った認識で「無理な圧力」を掛けトレーニンングを続けた状況下でという話です。その状態で血流制限と血流解放(ベルトを巻く、外す)を繰り返すと、血管内に活性酸素が発生します。その活性酸素が多くなれば、今度は血管内側の「内皮膚細胞」というものを傷つけてしまいます。この内皮膚細胞こそ、血栓が出来るのを防ぐ役目を果たしているのです。

それを傷つければ血栓ができ易い状態になり、その状態のままトレーニングを繰り返す事で、最初は毛細血管に小さな血栓ができてしまうそうです。それが、やがて大きな血管の中に大きな血栓を作ってしまう事態になります。更に問題は、増えた活性酸素が悪玉コレステロールを酸化させてしまう事により、動脈が狭められて血栓が詰まり易くなってしまう事です。それが原因で「脳梗塞」や「心筋梗塞」といった深刻な病状に繋がると言われています。まずは、血液疾患・心疾患・糖尿病・高脂血症等の方々は、自身に自覚症状がなくても血管が弱っている可能性がありますので「自分は大丈夫なのか」をシッカリと確認し、トレーニングに臨む事が重要と言えるでしょう。

 

実際の事例とは?

2014年頃だと思いますが、間違った方法により事故が起こった症例の論文が発表されています。この症例は「血栓」に関するものではありませんが、詳細に報告されていますのでご紹介します。15才の少年が、野球部で加圧トレーニングを15分間行った後に「挫滅症候群」を引き起こしてしまった事例です。挫滅症候群の例として「倒壊した家屋で、家具に挟まれ圧迫されていた人が助出された後に、イキナリ血流が勢いよく戻った事でショック状態になってしまう」事などがあります。

この少年の場合、腕の上から指先までが赤く腫れあがってしまい、圧迫された手の運動、及び感覚麻痺が起きてしまったとの事で、およそ4か月ほどの治療を要した様です。問題だったのは「間違った方法」をとった事で、この事例では30名の選手をたった一人のトレーナーが指導しており、ベルト着用の際も適正な圧を測定する事なく、言わば適当に行ったと言う所です。

一人で見ていたので、練習時も状況を良く把握できていなかった結果でしょう。この事を踏まえ「加圧トレーニングを行う際は、専門トレーナーが個別に管理し、適正な圧で行う事が望ましい」と結んでいます。血栓に関しては詳細な症例の記述が無いそうですが、12642人中で7人に深部静脈血栓が見つかったと報告されている実情です。

 

結局、危険性は高いのか?

危険性については、2016年に「実施と安全性・全国実態調査」というものが執り行われており、その報告によれば「気になる症例の報告はあったが、重篤な副作用を示す結果は確認していない」との事です。この結果「トレーニング内容は多様化しているが、適切な指導者が実施する機関や施設では有用性、且つ安全性が確認された」旨、報告されています。

また、信頼できる医療機関・医療従事者が管理の下、様々な疾患患者が加圧トレーニングに参加し、リハビリとして幅広く利用されている事も確認されました。ここでいう適切な指導者とは「加圧トレーニングの資格を持った医師や専門のトレーナー・インストラクター」を指し、更に「常に技術力、知識力を高め、安全性を考慮する者」と言う事です。安全の為にもこうした専門の人に、血圧を考慮した適正な圧力を測定してもらい、正しく静脈に圧を掛けてもらう事が不可欠だと言えるでしょう。

 

まとめ

加圧トレーニングは、トレーニング自体は約15分程度で終了してしまい、しかも低負荷で行う為「簡単なトレーニング法」と思いがちですが、実は自宅で気軽に行えるものではないと言うのが本当の所です。何故なら、まず自身の血圧を測り、それを考慮に入れ、ベルトを巻く際の適正圧を測定しつつ圧を掛ける、という素人では行い様のない手順を踏むからです。

更に、動脈ではなく静脈に圧を掛けなければイケないと言います。私を含め素人では、動脈と静脈の位置さえ分からないと思うのですが。これを行う事は、正にプロの仕事に他なりません。という事で、安全の為に自身で行える事は、プロの指導を受けられる環境を探し整える、自身の身体にリスクはないのかをシッカリと確認し健康管理に努める、という2点に絞られるのではないでしょうか。「自己流で加圧をしない」が危険を回避する合言葉です。