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加圧トレーニング
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加圧トレーニングで血栓ができる?トレーニングメニューがポイント

「運動において、危険の伴わないトレーニングなどない」とよく言われている所ですが、それでも危険は極力回避したいものです。そこで、ここでは加圧トレーニングにおける血栓症危険回避のための知識や、正しい始め方を中心に詳しく解説致します。加えて、このトレーニング法をやっては危険が高まる人についても触れて行きますので、これから始めたいとお考えの方は是非お役に立ててください。

血栓ができるって嘘?本当?

結論から言えば「本当」という事になります。ただ勘違いしないで欲しいのは、いついかなる時も血栓のリスクがつきまとう、と言う訳ではありません。では、どういう時にリスクが高まるのでしょう…

昨今、芸能人やモデル、スポーツ選手が取り入れている事から加圧トレーニングに注目が集まり、加圧ベルトなどは簡単に手に入れられるため個人が見よう見まねで行う事も多々あるようです。本来、加圧ベルトは動脈より静脈に強めの圧を正確に加えなくてはイケません。その微妙且つ専門的な判断が、一般の素人では難しいという事です。もちろん、腕と脚の双方同時に巻くなどは論外です。単にベルトを巻き付け、強く締め付ければ良いと言う訳では決してありません。まず、この勘違いがリスクを高めます。また、そういう人に限って「たくさんの圧を加えれば、その分、より一層トレーニング効果が得られる」などと勘違いを重ねてしまう傾向があるようで、これにより血管が過剰に圧迫されるという大変に危険な状況を生んでしまい兼ねません。

次に、皆さんが良くご存知のエコノミー症候群という、長時間の座姿勢による静脈血流の制限で出来た血栓が原因の病状ですが、これは飛行機や大地震時の車中泊で、長時間に渡り同じ姿勢で、しかも足を動かさないまま固定されている事で起こります。こうした状態で足の静脈に血栓ができ、その血栓が血流に乗って肺の動脈まで動き、血管をふさいでしまい、肺塞栓症(はいそくせんしょう)を引き起こすのです。因みに「血栓」とは血の塊の事で、この病状が命の危険を伴うものである事はご存知の通りです。

この事態が加圧ベルトによっても起こり得ます。加圧ベルトはどの程度の圧で巻いたとしても、全く四肢を動かす事なく、安静状態を長時間続ければ血栓症のリスクは高まると言います。例えば個人宅で自己流のトレーニングを行っていた際に、気分が悪くなり失神などしてしまったら、正しくこの危険な状態に陥ってしまうという事になります。失神はしなくても疲労をいやす休憩のつもりで横になったら、そのまま寝てしまったなどもリスクは何ら変わりません。

もし、これが加圧トレーニング施設において専門のトレーナーと共にトレーニングを行っていたとしたら、このような事故はほぼ起こりようがありません。兎にも角にも自己流は大変なリスクを伴う事は確かです。加圧の加減や時間を間違えるなど、勘違いの上積みは、リスクの上積みでもあると知っておいて下さればと思います。ただし、例えトレーナーと共にトレーニングを行ったとしても、自分の体調などの情報を正しく伝えなければ意味はありません。何処であれ誰とやろうが無理をすれば、やはりリスクは伴います。

他に血栓が起こす病状には、脳の動脈が詰まった場合は「脳梗塞」、心臓の動脈が詰まった場合は「心筋梗塞」、足の静脈が詰まった場合は「深部静脈血栓」などがあります。症状として、脳梗塞の場合には「手足のしびれ」や「話しづらくなる」などがあり、心筋梗塞・肺塞栓症の場合には「胸が痛い」「息が苦しい」などがあり、深部静脈血栓の場合には「片足だけが急に痛くなった」「足が腫れた」などが起こります。こうした病状は突然に起こるそうです。もし、このような事態になったら早急な対処が必要となりますので、頭の片すみにでも、是非入れておいて頂ければと思います。

血栓の危険を回避するメニューとは

危機回避に適したメニューとは、専門のトレーナーと綿密なカウセリングを重ね相談して、その個人に適した内容で作り上げたメニューだ、と言っても過言ではありません。 

「さあ、加圧トレーニングをはじめよう!」と思う人は一様に行動力があるので、やる気満々なタイプが多く「善は急げ!すぐさまトレーニングを始めたい!」という人達だと思います。その気持ちは重々承知しているのですが、しかし、長く安全に行っていくためにはしっかりとした前準備が必要です。

これは何事についても同様です。例えば、安全な水泳の前には念入りな準備体操を、美味しい料理の前にはひと手間掛けた下ごしらえを、と学校の先生も料理教室の先生も推奨しておりますね。加圧トレーニングに関しても同様で、その準備体操や下ごしらえがカウンセリング及びメニュー作りに当たります。

カウセリングは、人それぞれに違う体の状態や目標を聞き取り、その人の最適を目指したメニュー作りを行うためのものです。例えば「痩せたい」「筋肉量をあげたい」「健康を維持したい」「持久力アップを図りたい」などなど人により様々な目標があるでしょう。また、体力的な自分の状態を把握し、それに沿った目標を設定する事も大事です。もし持病があるなどの体の悩みがあれば、その上で「どうなりたいのか」の要望を事細かに伝え、相談する事で叶う事も多々あります。更に、運動経験の有無だったり、食生活だったりも大切な事項の一つですし、肩、腰、膝の可動域に至るまでを確認する事で事故防止に繋げるのです。こうした各要望に沿ったメニュー作りのために、カウセリングは必要不可欠です。

そして、このようなカウセリングに従い作成されたメニューを実施し、実施しながらもチェックを繰り返し、より最適なメニューを組み立てて行きます。ですが、作成されたメニューが唯一絶対ではありません。その日の体調によりメニューに変更を加え、臨機応変に対処しながら危険を回避して行きます。危険が高いと判断された場合は、休息日となる時もありましょう。トレーニングが終了した後には、加圧ベルトを外してストレッチを行います。ストレッチで体をほぐす事により、筋肉を充分に伸ばせ体の可動域も広がり、更なるケガ防止に繋がるのです。

でもこれでメニューが全て終了した訳ではありません。次のトレーニング日までの時間を有意義に過ごせるよう、日常生活での運動や食生活へのアドバイスをトレーナーから受けます。

このような専門のトレーナーとの共同作業が、血栓を始めとしたリスクへの最大の対策であると思われます。くれぐれも自己流にはご用心を!

やって良い人、イケない人

まず「血液疾患」や「心疾患」それに「糖尿病」「高脂血症」の人には、リスクが高いトレーニング法と言えるでしょう。例え自覚症状がなくても、そういった疾患を持っている人や予備軍の可能性がある人は、血管が弱くなっており傷がつきやすいので、血管が詰まりやすくなっているそうです。

他にも、風邪薬や降圧剤などを日常的に服用している人は、トレーニングにより副作用が出る恐れがあると言います。もしトレーニングを始める場合には、安全のため医師との相談が不可欠だと思います。

そして高齢者の人も、例え特に持病がなく健康体であるとしても、普段から運動に親しんでいたとしても、若い人よりは血管が固くなっており弾力が低下している事は否めませんので「その血管に圧を加えるトレーニング法である」事を十分に認識して頂き、始める際には医師と相談した上で万全の準備を行う事をお勧めしたいと考えます。

もちろん妊娠中の人は、絶対にやってはイケません。
そう考えますと、やってイケない人とは「医師に運動を禁じられている人」となり、逆にやって良い人は「それ以外の人」という事になります。なお、医師に運動は禁じられていないが、自分でリスクが高いと認識している人は必ず医師と相談の上で決めるようにして頂きたいと思います。

まとめ

誰にでもリスクが高い訳ではないのですが、誰にでも安全な訳でもないのが加圧トレーニングというトレーニング法です。このトレーニングを行う際には、そこを充分理解、認識した上で臨んで欲しいと願います。

成功時のメリットが多いと共に有名人による宣伝効果で人気が高まり、誰もが簡単に行えると勘違いされ気味な所が、かなり気掛かりな事です。

特に高齢者の方は注意が必要となります。実際に高齢者で脳出血の事例もあるようですので、ご自身にとってのメリット・デメリットを考えた上で判断されますよう、くれぐれもお願いする次第です。